Zcashが2018年6月に初アップグレード「Overwinter」を開始

「ゼロ知識証明」という暗号化技術よって、匿名性の高さを実現している仮想通貨「Zcash(ZEC)」が、初めてのネットワークアップグレードである「Zcash Overwinter」をリリースする予定だと、2018年3月2日に発表しました。なお、今回のハードフォークによる新たな通貨は誕生しないとのことです。

Overwinterの目的は、将来のネットワークアップグレードのためのプロトコル強化とされており、これは2018年後半に予定している「Zcash Sapling」のアップグレードに繋がるもののようです。また、Overwinterのソフトウェアには、バージョン管理、取引の期限切れやネットワークアップグレードのための取引保護、取引きの透明性の改善などの新機能が含まれる予定です。

Zcash開発者のブログによると、「Overwinter」は早くて2018年4月から、Zcashソフトウェア「zcashd」のバージョン1.1.0にてサポートが始まるとのこと。また、メインチェーンのアップデートは、2018年6月25日開始を予定しているそうです。

Zcashとは?

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2016年10月に公開された仮想通貨「Zcash(ジーキャッシュ)」。第2のビットコインとも言われています。ゼロ知識証明という技術により、「匿名性」を大きな武器としている仮想通貨です。

例えば、ビットコインなどの仮想通貨は「どのアドレスがどのアドレスにいくら送ったのか」といった情報は全て記録されています。これはビットコインアドレスという、コインの持ち主を区別するコードが個人に割り当てられているためです。つまり、いくら従来の通貨と比べて匿名性が高いとはいえ、取引情報は公開されているということです。

しかし、Zcashは「ゼロ知識証明」というプライバシー技術によって、送信者・受信者のアドレス、コインの数量、コイン履歴など、全ての匿名化が実現した通貨なのです。

この他にも、リング署名を用いたmonero(モネロ)やミキシング技術を用いたDash(ダッシュ)などの匿名性の高さが売りになっている仮想通貨はありますが、Zcashの匿名の高さは他と比べてもずば抜けています。

しかし、匿名性の高さからダークマーケットなど犯罪にも使われてしまう可能性があることも懸念されています。2017年5月アメリカでは仮想通貨取扱事業者や、プリペイトカードを対象にしたテロ資金への流出対策の法案が提出されていたり、と国家による規制が入ってくる可能性も十分にあるようです。

このように、不正に使用される恐れのあるZcashですが、この高い技術のおかげで、使用者のプライバシーを守ることができるのももちろん事実です。実際に、JPモルガン銀行のブロックチェーン技術を用いたオープンソース型の支払いプラットフォームである企業向けセキュリティー「Quorum」にも採用されていることから、セキュリティ関連システムにも応用可能で、性能や技術力の高さがわかります。このように、Zcashで使われている技術が評価されていくことで、Zcashの価値は高まり、価格も上昇していくと考えられます。

Zcashで用いられているゼロ知識証明とは?

ゼロ知識証明は、ブロックチェーンなど開放的なネットワーク上で情報を非公開にしながら用いられます。ある命題が正しいことを証明する際に、相手には「その命題は正しい」ということ以外は何も伝えずに、証明していくのです。なお、質問形式なので情報が公開されることはありません。ちなみにこのゼロ知識証明の技術は、私たちが普段使っているパスワードなど、仮想通貨以外でもよく使われている技術なのです。

イーサリアムとの提携、ZOEプロジェクトとは?

Zcashの将来性についてですが、今後もまだまだ大きく伸びていく可能性があるのではないかと感じています。特にイーサリアムとの提携は、Zcashの可能性をより一層、大きく広げる力を秘めているのではないでしょうか。

他の仮想通貨にも言えることではありますが、Zcashは、匿名性の仮想通貨としての決済機能だけにとどまらず、様々な機能を拡張し提供する「プラットフォーム」としての、開発も進めています。

特に、スマートコントラクトを得意とするイーサリアムとの提携には、とても将来性を感じますし期待大です。去年になりますが、2017年の1月29日、イーサリアムファンデーションより、イーサリアムとZcashによる統合プロジェクト「ZOEプロジェクト(Zcash on Ethereum)」が発表されました。

このプロジェクトは一体どのようなプロジェクトなのでしょうか。調べてみたところ、このプロジェクトによって可能となることは、Zcashの匿名性を保持した上でのスマートコントラクトや、ネットワーク内におけるトークンの発行、取引所を通さず、Zcashとイーサリアムを直接交換するアトミックスワップなどなど、さらには、秒速で数十億回のコードを実行するとも言われている「プラズマ」にも、Zcashのzk-SNARKプロトコルが使われる可能性があるとのことです。

何だか難しい話ですが、大きな進化を遂げようとしていることは伝わってきますね。このような機能が実装された場合、Zcashは他の匿名性通貨から一気に差をつけ引き離すことが出来ると考えています。

その期待を象徴するかのように、Zcashは多くの投資家や協力者に支えられているのです。

Anthony Di Iorio Jaxx CEO
「Zcashは世界中の注目を集めてきました。ベンチャーキャピタルの投資を受け、最先端セキュリティテクノロジーに支えられているZcashは、暗号コミュニティではかなりの話題を呼んでいます。Zcashは大きな可能性を秘めています。」

 

Bitcoin.com CEO Roger・ver
「ビットコインの弱点である部分がZcashの強みで、ユーザーの金融のプライバシーを守ることが可能になります。ビットコインと競争できるものがあるとすれば、それはこの領域でしょう。」

 

Edward Joseph Snowden 元CIA職員
「Zcashのプライバシー技術は、Bitcoinの最も興味深い選択肢になっています。 Bitcoinは素晴らしいですが、プライベートでないと安全ではありません」

これらはほんの一例ですが、上記の通り、世界最大の仮想通貨サイト、bitcoin.comの創設者をはじめ、Roger・ver、仮想通貨のウォレットの開発等を行っているJaxxのCEO、Anthonyが投資しており、またイーサリアムの創設者であるVitalik Buterinがアドバイザーになっているほどで、仮想通貨業界の重鎮とも言われる面々から支援されているんですね。

Zcashはインフレが約束されている??

ICOが行われず、またスローマイニングが行われたZcashは、他の仮想通貨と比べて、通貨の供給量が低い状況であるため、マネーサプライインフレ率という指標でみると、Zcashのインフレ率は、なんと876%にも達します。(ちなみに、ビットコインなどほかの仮想通貨は、16?29%とのデータが出ています)

少し前のデータになってしまいますが、2017年12月現在の供給量は、

  • Bitcoin(BTC) = 16,764,175枚
  • Zcash(ZEC) = 2,920,219枚

となっており、この時期で比較しても、Zcashの供給量は、Bitcoinのおよそ7分の1ほどとなってました。この数値から分かるように、Zcashはまさにインフレが起こりやすく、価格が上がっていく伸びしろは非常に大きいとも見えてきます。

また、Zcashの開発チームは、匿名送金においてのスピードが現実的な決済に使えないといった認識をもっており、それについては、2018年中に大幅なアップデートを予定しているようですので、まだまだ進化の途中といえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?Zcashについては、改善点がありながらも、逆に言えば、それはまだまだ伸びしろのある、ポテンシャルの高さを示しており、「Overwinter」をはじめ、今後の将来性について十分に期待ができる仮想通貨といえそうですね。

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