“仮想通貨であってブロックチェーンにあらず”
cryptocurrencyの異端児…それがIOTAです。
仮想通貨IOTAは、IoT(モノのインターネット)のために必要な「安全な取引・スピーディーな支払い・送金手数料無料」を満たすために作られました。
今回の記事では、IOTA(アイオタ/アイオータ)の、特徴(開発内容)・ロードマップ・将来性・チャート・取引所・購入方法などを紹介します。
(記事中のデータは記載がない限り2018年1月19日のもの)
IOTAの概要
メモ
- 通貨単位:MIOTA
- 発行上限枚数:2,779,530,283MIOTA(全て発行済み)
- 公開日:2017年6月
- 取引認証システム:Tangle
- 時価総額ランク:10位
IOTAの特徴
IOTAはお金であり、さまざまなシーンでシステムや組織を連携させる相互運用性プロトコルです。
IOTAには多くの特徴があるのでひとつずつ説明します。
IoTのための仮想通貨
IoTとは、私たちの身の回りにあるモノをインターネットに接続させ、相互に通信させることです。そうすることでモノのデータを簡単に・効率的に管理することができます。
例えばレンタカー。Aさんがレンタカーを借りて、B市からC市まで利用しました。料金はメーターで走った分だけ支払うので、Aさんは1000円支払いました。…これらの情報は車と、車にネット接続している端末との間で情報がやりとりされます(これをMachine-2-Machineと呼ぶ)。情報がIoTで管理されると、どこの地域でレンタカーが多く利用されているのか、どんな時間帯で、どんな年齢層でどんな性別の利用者なのかetc…あらゆるデータを得ることができるのです。効率的な経済活動につながるでしょう。さらに言えば、レンタカーの費用をIOTAで支払えば、決済手数料は無料です。
IOTAがIoTのための仮想通貨である理由は2つ。
- 1つ目は、IOTAはIoTのために、ハッキングなどの犯罪を防ぐセキュリティの高い環境を提供できる。
- 2つ目は、IoTにかかるコストを抑えることで利用しやすくできる。
さらに具体的に説明しますね。
IOTAの独自技術「IOTA Tangle」
Tangleは、もつれという意味です。Tangleの仕組みを表す図を見ると、確かにもつれていますね。
Tangleとは、自分のトランザクションを作成することと、他の誰かのトランザクションの認証作業を2つ行うことがセットになったシステムだと思ってください。
ビットコインはユーザーが自分のトランザクションをマイナーに処理してもらわないと送金できませんが、Tangleは自分がユーザーであると同時に、他の誰かにとってのマイナーにもなるのです。
そしてTangleにはブロックが存在しません。ビットコインのようにブロックサイズを気にする必要もありません。
IOTAは送金手数料が無料
IOTAはICOの段階で全てのコインを発行しています。
そしてTangleのシステムにはマイニングが必要ありません。
つまり、送金手数料が無料なのです。
強いて言えば、自分のトランザクションを作成するために、ネットワークがランダムに選んだ他の誰かのトランザクションを2つ認証する「時間」が必要になります。ですが高額になったビットコインの送金手数料を考えれば、たった2つのトランザクションの認証作業です。大したことではないでしょう。
「ひとりはみんなのために みんなはひとりのために」と言うことですね。
IOTAのネットワークに参加するユーザーが増えるほど、トランザクションの認証作業スピードが速まるとされます。
送金手数料が無料なのは良い事尽くし
ビットコインのように送金手数料の高額なトランザクションばかりが先に送金処理されることがありません。
ビットコインとビットコインキャッシュのように、マイナーが力を持ったために分裂騒動が起きることもありません。
IOTAがIoTで利用されると、ユーザーは支払いをIOTAにすれば送金手数料が無料になります。
IOTAは高額決済だけでなく、少額決済に非常に適しています。ビットコインは500円のコーヒー代金を支払うのに送金手数料が1000円必要ですが、IOTAなら無料で決済できます。
量子コンピューター耐性
量子コンピューターとは、超簡単に言えば、今まで以上に計算速度の速いコンピューターです。
仮想通貨の暗号も当然破られると予想されていますが、実際のところは不明瞭です。とは言え、目の前に迫る危機を黙って見ているわけにはいきません。
IOTAは汎用化タイプ「量子ゲート方式」の量子コンピューター耐性を持つ仮想通貨です。
Tangleは悪意のある量子コンピューターの攻撃を100万回減少させることが可能とされます。IOTAの高い安全性が評価されているのはこのためです。
ちなみに、量子コンピューターの機能をフルで装備しているのは「量子アニーリング方式」ですが、こちらはNASAやGoogleといったごく一部の組織や企業が保有しているだけです。一般には出回らないので気にする必要は今のところありません。
IOTAの意味
IOTA(iota)とは、ギリシャ文字のalpha・beta…と続く9番目の文字です。ギリシャ文字は物理量を記号であらわす時にも使われますね。
仮想通貨IOTAでは、1IOTA=1i/1Ki(1Kiota)=1,000i/1Mi(1Miota)=1,000,000i/1Gi(1Giota)=1,000,000,000i/1Ti(1Tiota)=1,000,000,000,000i/1Pi(1Piota)=1,000,000,000,000,000iとなります。
IOTAのロードマップ
ロードマップは長いので、かなりコンパクトにまとめます。
CORE CLIENT DEVELOPMENT
Java→最初に実装されたIOTAリファレンス実装(IRI)はJavaで書かれています。ステータス:完了
C++→IRIをC++に移植中。リソースが制限されたIoTデバイスに適している言語。ステータス:初期段階
RUST→IoTに必要な、安全性・高速実行・大規模な並行性サポートが可能。IoTにとって有望な言語のひとつ。ステータス:初期段階
GO→ブロックチェーンプロジェクトで利用されている言語。IOTAではSandboxやライブラリに使用されている。ステータス:初期段階
ALTERNATIVE CLIENTS
ライトクライアント→IOTAのコアクライアントは軽量ですが、より軽いものが必要です。ステータス:完了
スウォームクライアント→リソースが制限された環境でIOTAクライアントを実行するために必要です。ステータス:研究段階
NEW FEATURES
ネットワークの改善→IoTのネットワークの特定のニーズのために、ピアツーピアネットワークに接続されている間に様々なネットワークプロトコルを流動的に切り替えることを可能に。ステージ:積極的に研究中
自動スナップショット→IoTを浸透させ、構成される組み込みデバイスのニーズに合わせてIOTAを維持するため、非常に小さくデバイスを保つために「スナップショット」が使われます。ステージ:積極的な開発とテスト段階
Iota eXtension Interface (IXI) MODULES
アイデンティティ・オブ・シングス(IDoT)→IDoTはネットに接続された世界の安全を確保するために必要です。各デバイスが独自のIDを持っていれば、異常と侵入検知に不可欠なreputationsystemを確立できます。デバイスがIDに従って動いていなければ、マルウェアと呼ばれる悪意のあるソフトウェアやコードから隣接しているデバイスを隔離できます。ステータス:予備段階
パーマノード→パーマノードはTangleの履歴とデータ全体を永続的に、安全に保存します。ステージ:アルファトテスト段階
フラッシュネットワーク→フラッシュチャンネルには、チャンネルをセットアップするための手数料が含まれていません。このため、少額の支払いに適しています。ステータス:中期段階
MAM(Masked Authenticated Messaging)→IoTではさまざまな情報が集められますが、MAMでは正しいチャンネルIDを持つ人だけがデータにアクセスできます。ステージ:ベータテスト段階
プライベートトランザクション→トランザクションのプライバシーのためにあります。ステージ:初期段階
Oracles→OraclesはIOTAのユーティリティやアプリを拡張するひとつの方法です。ステージ:高度な開発段階
TOOLS&LIBRARIES
- JavaScriptライブラリ→ステータス:完了
- Pythonライブラリ→ステータス:完了
- Javaライブラリ→ステータス:完了
- C#ライブラリ→ステータス:完了
- Goライブラリ→ステータス:開発中
ECOSYSTEM PROJECTS
ストレステスト→IOTA Tangleの能力を確認するためのストレステストです。ステージ:計画と準備段階
公開シュミレーション→Tangleの能力をシュミレーション。ステータス:完了
サンドボックス→IOTAサンドボックスは開発者が「コーディング」するのを簡単にします。ステージ:4月中旬再開
IOTAの将来性
IOTAはマイクロソフト・富士通・ボッシュなどの企業と提携しています。
IOTAが実際に稼働を始めると、IoTで得られるデータは非常に魅力的です。仮想通貨やブロックチェーンが段々と世界に認知されていくにつれ、これからも多くの企業がIOTAに注目していくでしょう。そして競ってデータを買いたいと思うはずです。
また汎用タイプの量子コンピューターが出回るようになると、投資家はリスク回避から量子コンピューター耐性の仮想通貨を購入する可能性もあります(現状、耐性のない仮想通貨の安全性は不明です)。
IOTAの将来性ですが、競合する仮想通貨が登場しない間は期待が持てるでしょう。あとは安全面をどれだけ立証できるかです。どれだけ安全性が高いと言っても、それが証明できなければ実用化には踏み切れません。
IOTAのチャート(価格推移)
IOTAは2017年6月の公開後(上場後)いきなり時価総額6位になりました。
11月28日ごろから価格が上昇、その後一気に高騰し、12月6日には一時時価総額4位につけます。高騰の理由はマイクロソフトや富士通など20社以上と提携したからです。
IOTAの購入方法
IOTAは現時点で日本に取引所がないため、日本円では買えません。
コインチェック・ビットフライヤー・ザイフ・GMOコインなど日本の取引所に口座を開き、日本円でビットコインなどを購入して、それを海外の取引所に送金します。送金したビットコインなどでIOTAを購入します。
IOTAの取扱い取引所
IOTAが買える取引所は、現時点では海外の取引所だけです。
流通量が多い順に、Bitfinex・Binance(バイナンス)・Coinoneなどですね。
IOTAは人気のある仮想通貨なので、1日でも早く日本の取引所で買えるようになると嬉しいですね。
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