2017年10月10日、国内トップのITサービスを提供する富士通が、ブロックチェーン技術の分野に参入するべく、メガバンク3行と実証実験を開始すると発表しました。
富士通がブロックチェーン技術に注目した理由は?
一昔前まで、アメリカ人は現金を持ち歩かない、ジュース1本買うにもキャッシュカードで買っている…そんな話を聞くにつけ、アメリカって現金が持ち歩けない程物騒な国なんだ…と思っていました。
ところが今の日本はアメリカ同様にキャッシュレスが進んでいます。
日本が物騒だからではなく、単に「便利」だからです。
その点に注目した富士通は、キャッシュレスを望む消費者がより便利にサービスを利用できるようにしたいと考え、ブロックチェーン技術を利用した「個人間送金サービス基盤」の実現に向けて実証実験をすることになりました。
個人間送金サービス基盤とは?
「個人間送金サービス基盤」をわかりやすく説明すると、ブロックチェーン上に作られたAさんの「個人送金アカウント」から、Bさんの「個人送金アカウント」への送金になります。
ブロックチェーン上に作られたアカウントは利用する銀行口座に紐づけされるので、送金するためのお金は銀行口座からアカウントに入金します。
逆に、アカウントに入っているお金は利用する銀行に出金できます。
ブロックチェーンの特性として、世界中に散らばるコンピューターがデータを共有して管理を行います。
つまり、銀行がブロックチェーン技術を活用すれば、不正送金を防ぐだけでなく、膨大なデータを管理する必要がないため、その分のコストが抑えられるのです。
そして富士通は、その「便利」な「個人間送金サービス基盤」と「スマホ用アプリ」を開発します。
実証実験とは?
富士通は2017年9月~12月にかけて実証実験用のシステム(※)を構築。
※実験においてメガバンク3行が共通利用できるブロックチェーン基盤と、送金・入出金を行うためのスマホ用アプリの開発
2018年1月~3月(予定)にかけて、みずほ・三井住友・三菱UFJの3行と共同で実証実験を実施。
実験内容は、
・「個人間送金サービス基盤」上に作ったアカウント間での送金
・アカウントに紐づけされた銀行口座への入出金
・スマホの操作性や機能性
・あらゆる処理の正確性・安全性・実用性
…となります。
ブロックチェーンとビットコイン
世間ではビットコインが名指しで批判されることが多く、アメリカの大手銀行JPモルガン・チェースの最高責任者(CEO)が詐欺呼ばわりしたことで一時期ビットコインはだいぶ価格を下げることになりました。
ですが、どれほど批判されようと、ブロックチェーン技術が人々の生活に浸透していくのを止めることはできません。
ブロックチェーン技術とは、始まりの仮想通貨であるビットコインがもたらした「未来への贈り物」なのです。
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